2025年4月1日から、総排気量125cc以下かつ最高出力4.0kW以下の二輪車も原付免許で運転できるようになりました。2026年現在、新車購入を検討する場合はこの新基準原付が中心的な選択肢となり、従来の50ccモデルは、本記事で取り上げた5車種がいずれも生産終了と案内されています。
この記事では、50ccと新基準原付の違い、メーカー公式資料で諸元または販売状況を確認できた10台の比較、用途別の判断基準、維持費や保険の確認ポイントを整理しました。
なお、紹介する10台は販売台数や人気投票に基づく順位付けではなく、公的資料やメーカー発表に基づき整理した仕様比較です。記載の価格はメーカーの発表時点または公式サイト掲載時点の希望小売価格(消費税10%込み)で、改定される場合があります。登録に伴う諸費用や保険料等は含まれていません。
原付の区分が変わった:50ccと新基準原付
原付免許で乗れる範囲
令和7年4月1日から、総排気量50cc以下の従来の原動機付自転車に加え、総排気量125cc以下で最高出力が4.0kW以下の二輪車も原付免許で運転できるようになりました。四輪の普通自動車免許を保有している場合も、付帯する免許区分として同様に運転が可能です。
125ccなら何でも乗れるわけではない
125cc以下の二輪車すべてが原付免許で運転できるわけではありません。最高出力が4.0kWを超える車両を運転する場合は、小型限定普通二輪免許以上の自動二輪免許が必要です。新原付として扱われるのは、最高出力を4.0kW以下に制御した車両に限られます。
交通ルールは従来の原付一種と同じ
新基準原付であっても、走行時に適用される交通ルールは従来の原付一種と共通です。法定最高速度は30km/h以下に制限され、二段階右折の義務、二人乗りの禁止、最大積載重量30kgの制限が課されます。また、高速道路や自動車専用道路は通行が禁止されています。
補足・参考
新基準原付の運転資格および区分基準の詳細は、警察庁の案内ページ、および総務省の新基準原付の軽自動車税に関する案内で説明されています(令和7年4月1日施行)。
選ぶときの5つの比較軸
価格
メーカー希望小売価格(消費税10%込み)で比べます。
車重と取り回し
日々の保管や押し歩きに直結する車重を確認します。諸元表の重量には「車両重量」と「装備重量」があり、表記基準が異なります。レッツの70kgは燃料・潤滑油・バッテリー液を含む装備重量です。
燃費(WMTCモード値)
燃費性能の指標として、WMTCモード値(クラス1・1名乗車時)を参照します。WMTC値は定められた試験環境下での測定値であり、乗車積載量や走行風、道路勾配などの実際の使用環境によって数値は変動します。
収納とシート高
ヘルメットの格納性に関わるシート下収納スペースの容量や、足つき性を左右するシート高の数値を公式諸元から把握します。足つきの安心感はシート形状やサスペンションの沈み込みによっても異なります。本記事で公式の数値を確認できたのはJOG ONE(シート下約21.3L、シート高735mm)のみで、ほかの車種は販売店や公式諸元で確認してください。
買えるかどうか(販売状況)
新車として販売店へ発注できる現行モデルなのか、生産終了モデルなのかを区別します。本記事で取り上げた50cc 5車種はいずれも生産終了と案内されているため、在庫車や中古車からの選定が前提となります。
新基準原付のおすすめ5車種
| 車種名 | 価格(税込) | 重量 | 燃費(WMTC) |
|---|---|---|---|
| Dio110 Lite | 239,800円 | 95kg | 56.6km/L |
| スーパーカブ110 Lite | 341,000円 | 101kg | 67.5km/L |
| スーパーカブ110 プロ Lite | 385,000円 | 111kg | 65.5km/L |
| クロスカブ110 Lite | 401,500円 | 107kg | 67.5km/L |
| JOG ONE | 259,600円 | 95kg | – |
「-」はメーカー公表値を本記事で掲載していない項目です。
Dio110 Lite
ホンダが2025年11月20日に発売した新基準原付スクーターです。メーカー希望小売価格は消費税10%込みで239,800円、車両重量は95kgに設計されています。エンジンは区分基準に合わせて最高出力を3.7kWに最適化しており、WMTCモード値は56.6km/Lです。足回りには14インチの大径ホイールを採用しており、ホンダ公式資料では市街地から郊外まで幅広い走行状況で安定感ある乗り心地を持つと説明されています。シャッター付きキーシリンダーを備えます。
スーパーカブ110 Lite
2025年12月11日に発売されたモデルで、メーカー希望小売価格は341,000円(消費税10%込み)です。車両重量は101kg、燃料消費率はWMTCモード値で67.5km/Lを記録しています。足回りは前後ともに17インチタイヤを装着し、前輪にはディスクブレーキと、前輪にのみ作用するABS(アンチロック・ブレーキ・システム)が標準装備されています。ABSはブレーキ操作を補助するシステムであり、旋回手前などではあらかじめ十分な減速を行う必要があります。
スーパーカブ110 プロ Lite
メーカー希望小売価格は385,000円(消費税10%込み)です。車両重量は111kg、WMTCモード値は65.5km/Lです。タイヤは前後14インチで、前後17インチのスーパーカブ110 Liteとは異なります。
クロスカブ110 Lite
メーカー希望小売価格は401,500円(消費税10%込み)です。車両重量は107kg、WMTCモード値は67.5km/Lとなっています。前輪ディスクブレーキと前輪にのみ作用するABSを標準装備しています。旧クロスカブ50とは別車種です。
JOG ONE
ヤマハ発動機が2026年3月19日に発売した新基準原付スクーターです。メーカー希望小売価格は259,600円(消費税10%込み)に設定されています。新基準原付の区分基準に合わせた空冷4ストロークSOHC 124ccエンジンを搭載し、車両重量は95kg、シート高は735mm(シングルシート)です。シート下には約21.3Lのラゲッジスペースを確保しています。50ccの旧ジョグとは別モデルです。
50ccのおすすめ5車種は生産終了・在庫と中古が前提
| 車種名 | 価格(税込) | 重量 | 燃費(WMTC) |
|---|---|---|---|
| ホンダ タクト | – | – | – |
| ヤマハ ジョグ | 181,500円 | – | – |
| ホンダ スーパーカブ50 | – | – | – |
| ホンダ クロスカブ50 | – | – | – |
| スズキ レッツ | 178,200円 | 70kg(装備重量) | 52.8km/L |
「-」はメーカー公表値を本記事で掲載していない項目です。
上記の50cc原動機付自転車5車種は、すべてメーカー公式から生産終了モデルとしての案内が出されています。新車の在庫の有無は販売店に確認し、中古車も含めて探すことになります。価格やコンディションは販売店ごとに異なります。
ホンダ タクト
ホンダ公式の製品案内において、2021年11月発表モデルの「タクト」および「タクト・ベーシック」は2025年10月をもって生産終了と告知されています。購入を検討する際は販売店で在庫の有無を確認してください。
ヤマハ ジョグ
50ccスクーターとして展開されていたモデルです。メーカー希望小売価格は消費税10%込みで181,500円(上位グレードのジョグ デラックスは194,700円)でした。ヤマハ公式Webサイトにおいて生産終了モデルとして案内されており、在庫状況については各二輪販売店へ問い合わせるよう案内されています。
ホンダ スーパーカブ50
ホンダ公式ニュースリリースによると、受注期間限定で発売された「スーパーカブ50・Final Edition」(2024年11月受注受付)の生産完了をもって、排気量49cm³エンジンを搭載する現行のスーパーカブ50は生産終了となります。
ホンダ クロスカブ50
ホンダ公式のアナウンスにおいて、2022年5月発表モデルの「クロスカブ50」および「クロスカブ50・くまモン バージョン」は、2025年10月生産終了モデルとして位置づけられています。
スズキ レッツ
スズキが展開していた50ccスクーターです。スズキ公式のラインアップページにおいて生産終了モデルと表示されており、メーカー希望小売価格は消費税10%込みで178,200円でした。装備重量は70kgで、WMTCモード値は52.8km/Lと公表されていました。
用途別に見る選び方
通勤・買い物中心
平坦な市街地での短距離移動や駐輪スペースへの出し入れを考慮する場合、車重の軽さと収納容量が実用上の重要な選定基準となります。新基準原付では車重95kgに抑えられたDio110 Liteや、同重量95kgでシート下に約21.3Lの収納容量を持つJOG ONEが具体的な比較候補となります。
スーパーカブ110 Liteとプロ Liteの違い
スーパーカブ110 Lite(17インチ・車重101kg)とスーパーカブ110 プロ Lite(14インチ・車重111kg)では、タイヤ径や車重などの仕様が異なります。
価格を抑えたい
車両価格を抑えたい場合、本記事の新基準原付5車種(希望小売価格239,800〜401,500円)に加えて、ジョグやレッツのように希望小売価格が10万円台後半だった50ccの在庫車や中古車も候補に入ります。ただし、経年劣化に伴う部品交換や整備状況には注意が必要です。
ツーリングの足として使う場合の注意
セカンドバイクとして休日のツーリングに活用する場合、交通ルールは前述の通り原付一種の制約を受けるため、幹線道路の流れに乗りにくい場面やバイパスの迂回が発生します。余裕を持った下道ルート設計が不可欠です。
BunBun
維持費と保険の見方
税金
軽自動車税種別割は、毎年4月1日時点の所有者に課されます。従来の50cc以下も新基準原付も第一種原動機付自転車に区分され、標準税率は年額2,000円で同額です。市町村への申告や標識交付の手続きについては、お住まいの自治体窓口への事前確認が必要です。
自賠責保険
損害保険料率算出機構が2026年4月30日に金融庁長官へ届け出た基準料率表によると、離島以外の地域(沖縄県を除く)における一般原動機付自転車の保険料は、60か月(5年)契約の場合で15,030円です。この改定基準料率は、2026年11月1日以降に保険期間の始期を有する契約に対して適用されます。それより前に始まる契約の保険料は、加入先で確認してください。
ファミリーバイク特約
自家用車の自動車保険に加入している場合は、ファミリーバイク特約の対象になるかを確認します。例えば東京海上日動の改定を反映したFAQ(2026年10月1日改定反映)では、総排気量125cc以下の二輪を含む原動機付自転車が補償対象とされています(50cc超125cc以下の側車付二輪を除く)。ただし、保険会社や契約時期、特約内容によって新基準原付の引き受け条件が異なる場合があるため、加入先の損保会社へ必ず事前の確認を行ってください。
よくある質問
125ccの二輪車は原付免許ですべて乗れますか?
すべての125ccバイクに乗れるわけではありません。原付免許で運転できるのは、総排気量125cc以下であって「最高出力が4.0kW以下」に制御された車両のみです。最高出力が4.0kWを超える車両の運転には、小型限定普通二輪免許以上の免許が必要です。
新基準原付の公道走行ルールは50cc原付と異なりますか?
公道での交通ルールは前述の通り従来の50cc原付一種と全く同一です。
従来の50cc原付バイクは今でも新車で購入できますか?
本記事で取り上げたタクト、ジョグ、スーパーカブ50、クロスカブ50、レッツは、いずれもメーカーから生産終了と案内されています。在庫の有無は販売店に確認し、販売店が抱えている店頭在庫や中古車から探す必要があります。
新基準原付と50ccで軽自動車税の金額は変わりますか?
税額は変わりません。新基準原付は第一種原動機付自転車に区分され、軽自動車税種別割は従来の50cc以下と同じ年額2,000円(標準税率)です。標識の交付手続きなどは管轄の市区町村窓口で確認してください。
自動車保険のファミリーバイク特約は新基準原付にも適用できますか?
東京海上日動のFAQでは「総排気量125cc以下の二輪を含む原動機付自転車」として対象に含まれる例が示されていますが、適用範囲や特約の引き受け条件は保険会社や契約時期、契約プランによって異なります。契約中の損害保険会社へ個別の確認を行ってください。
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まとめ|原付選びで押さえておくべきポイント
この記事のまとめ
・新基準原付は総排気量125cc以下かつ最高出力4.0kW以下の車両に限り、原付免許以上の二輪免許または普通自動車免許で運転できます。
・交通ルールは従来の原付一種と同じで、ツーリング用途では行動範囲が限られます。
・本記事の50cc 5車種はいずれも生産終了が案内されているため、新車で選ぶならDio110 LiteやJOG ONEなどの新基準原付が現実的な選択肢となります。
