北海道ツーリング5日間・7日間モデルルート【2026年版】|フェリー・宿泊・費用まで完全プラン

北海道ツーリング5日間・7日間モデルルート【2026年版】|フェリー・宿泊・費用まで完全プラン

「一度は北海道を走ってみたい」。40代を過ぎてバイクに戻ってきたライダーの多くが、この一言を胸に抱えたまま何年も過ごしています。理由はだいたい同じで、休みの取り方が読めない、フェリーの予約手順が分からない、そして総額がいくらかかるのか見当がつかないという三点に集約されます。

この記事では、本州在住のライダーが現実的に組める5日間プランと7日間プランを、フェリーの選び方・1日の走行距離設計・宿泊の組み方・費用の内訳まで通しで解説します。北海道が初めての人でも、この記事を上から順に読めばそのまま予約に進める構成にしました。

目次

まず決めるべきは「日数」ではなく「フェリー航路」

北海道ツーリングの計画は、走りたい場所から逆算すると必ず破綻します。先に決めるべきはフェリー航路です。航路によって上陸地点と上陸時刻が決まり、そこから初日にどこまで走れるかが決まり、結果として全体のルートが決まるからです。

主要航路と上陸地点の違い

本州から北海道へ渡る主要航路は大きく四系統あります。それぞれ上陸地が異なり、走れるエリアの重心が変わります。

航路 所要時間 上陸地 向いているプラン
舞鶴・敦賀→小樽 約20〜21時間 小樽 関西発。道央・道北・道東すべてに展開しやすい
新潟→小樽 約18時間 小樽 関東・北陸発。夜発朝着で1日を丸ごと使える
仙台→苫小牧 約15時間 苫小牧 東北・北関東発。道東方面へ最短
大洗→苫小牧 約18〜19時間 苫小牧 首都圏発の定番。夕方発・翌昼着

小樽上陸は道北・積丹・富良野方面へ、苫小牧上陸は道東・十勝方面へ向かうのが自然な流れになります。往路と復路で港を変える「変則ルート」も可能で、たとえば往路は苫小牧、復路は小樽とすると、島を一筆書きに近い形で回れます。

予約のタイミングが実は最大の関門

7月下旬から8月中旬のバイク枠は、就航3か月前の受付開始日にほぼ埋まります。特に個室と2等寝台は初日で消えることが珍しくありません。日程が確定していなくても、まず往復を押さえてから休暇を調整するくらいの順序が現実的です。

注意

キャンセル料は出港日が近づくほど上がります。ただし多くの航路で出港7日前までは比較的軽微な設定です。仮押さえの是非はありますが、無断でキャンセルせず、行かないと決めた時点で速やかに手続きしてください。

船内での過ごし方と積載の考え方

長距離フェリーは移動時間ではなく休息時間として設計されています。乗船前に風呂と食事を済ませる必要はなく、船内に大浴場とレストランがあります。バイクは係員の指示に従って固定されますが、航行中は車両甲板へ立ち入れません。貴重品・充電器・洗面用具・翌日の着替えは必ず手持ちのバッグに移してから降りてください。

5日間モデルルート|道央・富良野・積丹を凝縮

有給を2日と土日で組める、最も現実的な日程です。往復のフェリーで2日を消費するため、実走は3日と考えます。欲張らず道央に絞るのが成功の鍵です。

1日目|フェリー乗船・小樽上陸

夕方に本州側の港を出て、翌朝から昼にかけて小樽着というパターンを想定します。上陸後は無理をせず、小樽運河周辺で昼食を取ってから余市・積丹方面へ。初日の走行は150km以内に抑え、体を北海道の交通感覚に慣らす日と割り切ってください。宿は積丹半島の付け根、古平や神恵内あたりが静かです。

2日目|積丹ブルー〜ニセコ〜洞爺(走行約230km)

神威岬の駐車場から先端まで往復40分ほど歩きます。革ブーツだと後悔するので、歩きやすい靴を一足積んでおくと快適です。午後は国道229号から内陸へ入り、ニセコパノラマライン(道道66号)へ。羊蹄山を右手に見ながらの登りは、北海道らしさを最初に実感できる区間でしょう。洞爺湖畔で1泊します。

3日目|支笏湖〜富良野〜美瑛(走行約280km)

洞爺から支笏湖を経由し、千歳・三笠を抜けて富良野へ北上します。この日は距離が伸びますが信号が少なく、実際の疲労は数字ほどではありません。美瑛の丘は夕方の斜光が最も美しい時間帯なので、16時以降に到着できるよう逆算すると満足度が上がります。

4日目|美瑛〜旭川〜小樽・乗船(走行約200km)

午前中に美瑛のパッチワークの路を回り、旭川経由で高速に乗って小樽へ。夕方の便に乗船します。時間に余裕があれば、下道で国道12号の日本一長い直線区間(美唄〜滝川、約29.2km)を通っておくと記念になります。

5日目|本州着・帰宅

朝から昼にかけて本州側に着岸します。到着後にそのまま長距離を走るのは避け、可能なら帰宅日にもう半日の余裕を確保しておいてください。

編集部の一言

5日間で道東まで足を伸ばそうとする相談を毎年受けますが、BunBun編集部としては勧めていません。1日400km超が2日続くと、3日目以降の集中力が明らかに落ちます。5日なら道央、道東は7日以上と割り切るほうが、結果的に良い旅になります。

7日間モデルルート|道東・知床まで含めた王道周回

実走5日が確保でき、北海道の広さを本当に体感できる日数です。苫小牧イン・小樽アウトの変則航路で組みます。

1〜2日目|乗船・苫小牧上陸〜襟裳岬〜帯広(走行約280km)

苫小牧に昼前後に着いたら、日高方面へ東進します。えりも岬は風が強いことで知られ、風速10mを超える日も珍しくありません。横風対策として速度を落とし、車線内で余裕を持った位置取りを意識してください。夜は帯広で豚丼を食べておきます。

3日目|帯広〜阿寒〜屈斜路湖〜川湯(走行約250km)

足寄から国道241号で阿寒湖へ。そこから双湖台・双岳台を経て、摩周湖第一展望台へ向かいます。摩周湖は霧の日が多いので、晴れていたら予定を変えてでも先に寄っておくのが定石です。夕方は津別峠か美幌峠から屈斜路湖を見下ろします。宿は川湯温泉が使いやすいでしょう。

4日目|川湯〜知床峠〜網走(走行約260km)

ウトロから知床峠を越えて羅臼へ。峠は例年4月下旬に開通し10月下旬に閉鎖されるため、シーズン外は通行不可です。標高740mの峠は夏でも気温が一桁になる日があるので、防寒着は必ず持参してください。午後は野付半島を往復し、北上して網走方面へ抜けます。

5日目|網走〜サロマ湖〜旭川(走行約280km)

オホーツク海沿いの国道238号は、信号がほぼ無い高速巡航路です。距離のわりに疲れませんが、単調さから来る眠気には注意してください。紋別から内陸へ入り、層雲峡を経由して旭川へ。時間があれば大雪山の展望台に寄ります。

6日目|旭川〜富良野〜小樽・乗船(走行約230km)

午前は美瑛・富良野をゆっくり回り、午後は高速で小樽へ。夕方便に乗船します。土産の購入は小樽か、乗船前の道の駅で済ませておくとスムーズです。

7日目|本州着・帰宅

7日間の総走行距離は1,300〜1,500kmが目安になります。1日平均260km前後で、休憩と観光の時間を十分に取れる配分です。

1日の走行距離設計と時間の使い方

「北海道は速い」は半分だけ本当です

信号が少なく、平均速度は本州より確実に上がります。ただし給油ポイントとコンビニの間隔が長いため、計画の自由度はむしろ下がります。特に道東・道北では50km以上ガソリンスタンドが無い区間があり、日曜と夜間は閉まっている店も多いです。残量が半分を切ったら次で入れる、を徹底してください。

1日の上限は300kmに置く

景色を見て、写真を撮り、食事をして、温泉に入る。この全部をやるなら1日250〜300kmが上限です。400km走った日は、走ったという記憶しか残りません。距離を削って余白を作るほど旅の密度は上がります

朝を早く、夕方を早く

夏の北海道は日の出が早く、4時台に明るくなります。6時出発なら午前中に主要区間を消化でき、午後は観光に充てられます。逆に夕方はエゾシカの活動時間帯と重なるため、16時以降の山間部走行は極力避けるのが安全です。

注意

エゾシカは1頭見えたら群れがいると考えてください。道路脇に1頭が立っていたら、反対側の茂みから続けて飛び出すケースが多発します。減速して通過し、クラクションで追い立てないでください。

宿泊の組み方|ホテル・宿・キャンプの現実的な配分

全泊キャンプは40代以降には勧めません

北海道のキャンプ場は安く、景観も優れています。ただし連泊すると設営・撤収の作業が毎日積み重なり、睡眠の質も安定しません。キャンプ2泊に対して宿1泊を挟むくらいの配分が、疲労のコントロールと荷物の乾燥の両面で現実的です。

ライダーハウスという選択肢

1泊1,000〜3,000円程度で泊まれる簡易宿泊施設です。設備は最低限ですが、他のライダーと情報交換ができるのが最大の価値でしょう。翌日の道路状況や、地元の人しか知らない食事処の情報が手に入ります。ただし雑魚寝が基本で、耳栓とアイマスクは必携です。

予約は「翌日分」を前日夜に

天候とペースが読めない旅では、全泊を事前予約すると身動きが取れなくなります。初日と最終日の宿だけ先に押さえ、中日は前日夜に翌日分を取る方式が柔軟です。ただし8月のお盆前後は例外で、この時期だけは全泊事前予約を推奨します。

補足・参考

道内のキャンプ場は市町村営が多く、料金は1人500〜1,500円程度が中心です。バイク乗り入れ可否は場所によって異なるため、事前に各自治体の公式サイトで確認してください。

費用の内訳|5日間・7日間それぞれのリアルな総額

フェリー代の目安

ライダー1名+750cc未満のバイク1台で、片道の運賃は航路と部屋種別で変動します。2等寝台クラスなら片道15,000〜25,000円程度、個室を選ぶと片道25,000〜40,000円程度が目安です。往復で3〜7万円を見込んでおくと大きく外れません。

5日間の概算

項目 金額目安 備考
フェリー往復 40,000円 2等寝台・バイク込み
宿泊(3泊) 21,000円 1泊7,000円換算
ガソリン 7,000円 約700km・燃費20km/L想定
食費 18,000円 1日約4,500円
高速・有料道路 4,000円 道内のみ
観光・土産 10,000円
合計 約100,000円

7日間の概算

項目 金額目安 備考
フェリー往復 45,000円 変則航路・2等寝台
宿泊(5泊) 30,000円 宿3泊+キャンプ2泊
ガソリン 14,000円 約1,400km想定
食費 30,000円
高速・有料道路 6,000円
観光・土産 15,000円
合計 約140,000円

キャンプ主体にすれば7日間で10万円を切ることも可能ですし、個室フェリーと温泉宿を選べば20万円に届きます。宿泊とフェリーの部屋種別が総額を左右する二大要素です。

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装備と持ち物|北海道特有の準備

気温差への備えが最優先

日中の平地で25度、朝の峠で8度という差が同じ日に起こります。薄手のインナーダウンと防風インナーを積んでおけば、大半の気温帯に対応できます。真夏でもグリップヒーターやハンドルカバーが役立つ朝があります。

雨具は上下セパレートを

北海道は天候の変化が速く、快晴から30分で本降りになることがあります。ポンチョ型ではなく上下セパレートのレインスーツを選び、グローブとブーツのカバーも用意してください。濡れた手足の冷えが体力を最も削ります

虫対策と日焼け対策

初夏の道東・道北はアブが多く、停車すると寄ってきます。黒い服を避け、休憩は日陰より風通しの良い場所を選ぶと寄られにくくなります。日差しも強いので、首元の日焼けケアとして日焼け止めとネックゲイターがあると快適です。

バイク側の事前点検

1,500km走る前提なら、出発前にタイヤ残量・チェーン・ブレーキパッド・エンジンオイルを確認してください。道内のバイク用品店は都市部に集中しており、地方で消耗品を調達するのは困難です。パンク修理キットと空気入れも積んでおくと安心でしょう。

季節ごとの走りやすさとリスク

6月|空いていて涼しい、ただし梅雨前線の名残

ライダーが増える前で道路も宿も空いています。ラベンダーは中旬以降に色づき始めます。気温は快適ですが、朝晩の冷え込みは想定以上です。

7月下旬〜8月中旬|最盛期・宿とフェリーは激戦

気候は最も安定し、日照時間も長く、走行条件としてはベストです。その分、フェリーと人気宿は数か月前から埋まります。この時期に行くなら計画は3か月前に始めてください。

9月|混雑が引いて景色が澄む

編集部として最も勧めやすいのがこの時期です。観光客が減り、空気が澄んで遠景がよく見えます。ただし下旬になると峠の朝は5度前後まで下がるため、防寒装備は真剣に用意する必要があります。

補足・参考

知床峠(国道334号)や三国峠周辺など、標高の高い区間には冬季通行止め期間があります。開通・閉鎖時期は年により変動するため、北海道開発局や各振興局の道路情報で最新状況を確認してください。

よくある質問

初めての北海道ツーリングは5日と7日のどちらがよいですか?

休みが取れるなら7日を勧めます。5日だと実走が3日しかなく、道央エリアに限定されます。7日あれば道東・知床まで含めた周回が成立し、1日あたりの走行距離も抑えられるため疲労が蓄積しにくくなります。ただし5日でも道央に絞れば十分に満足できる内容になりますので、無理に7日を待つ必要はありません。

フェリーの予約はいつから始めればよいですか?

多くの航路で乗船日の約3か月前から受付が始まります。7月下旬から8月中旬の便は受付開始直後に埋まるため、この時期を狙うなら受付開始日にアクセスできる準備をしておいてください。6月や9月であれば1〜2か月前でも取れるケースが多いです。

レンタルバイクと自車持ち込み、どちらが得ですか?

滞在日数が4日以下なら、飛行機+現地レンタルのほうが総額で安くなることがあります。5日以上、特に7日規模になるとレンタル料が積み上がるため、フェリーで自車を運ぶほうが割安になりやすいです。加えて自分の車体は挙動が体に染み付いており、長距離での安心感が違います。

ソロで不安があります。仲間と現地で合流する方法はありますか?

フェリーの同便で知り合ったライダーと一部区間だけ一緒に走る、という形は北海道では日常的に見られます。マッチングアプリを使って事前に走行スタイルや希望ルートをすり合わせておけば、初対面でもペースの齟齬が起きにくくなります。全行程を共にする必要はなく、1日だけ合流して翌日は別行動という組み方が気楽です。

雨が続いた場合、ルートはどう変更すべきですか?

峠と海岸線の展望路を後回しにし、移動区間を先に消化する組み替えが基本です。視界が悪い日に無理して展望台へ登っても得るものがありません。宿を中日だけ前日予約にしておくと、こうした組み替えがしやすくなります。連日の雨なら1日を完全な休養日に充てる判断も有効です。

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まとめ|航路から逆算すれば、北海道は現実的な計画になります

北海道ツーリングが「いつか」で止まってしまうのは、情報が多すぎて着手点が見えないからです。最初にフェリー航路を決め、次に1日300km以内でルートを引き、最後に宿を配置する。この順序に従えば、計画は驚くほど短時間でまとまります。

5日なら道央、7日なら道東まで。無理に全域を回ろうとせず、走る場所を絞ったほうが記憶に残る旅になります。そして次に行く理由を残しておくのも、悪くない選択でしょう。

この記事のまとめ

・計画はフェリー航路から逆算する。小樽上陸は道央・道北、苫小牧上陸は道東向き

・繁忙期のフェリーは3か月前の受付開始日に押さえる

・5日間は道央周回で走行約700km、7日間は道東を含めて約1,400km

・1日の上限は300km。距離を削るほど旅の密度は上がる

・費用目安は5日間で約10万円、7日間で約14万円。フェリー部屋種別と宿泊形態で増減する

・気温差・給油間隔・エゾシカの3点が北海道特有のリスク要因

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この記事を書いた人

40代からのツーリング仲間探しサービス「BunBun(ブンブン)」の編集部です。ソロツーリングの楽しみ方からマスツーリングのマナーまで、大人のライダーに役立つ情報をお届けします。

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