グロムのカスタムは、まずご自身の車両の世代と車両区分を確認し、目的を整理したうえで、保安基準に関わる要件を確かめるという順序で進めるのが確実です。何から手をつけるべきか、どこまでが保安基準の範囲内で、どこから公的な確認や届出が必要になるのかを整理して進めます。
この記事では、年式や型式に応じた考え方、合法的に楽しむための確認手順、ショップへ相談する際の判断基準が分かります。
グロムの世代と区分を先に確認する
グロムは原付二種のスポーツモデル
カスタムパーツを探し始める前に、まずはグロムの法的な位置づけを正確に把握しておく必要があります。本田技研工業株式会社の公式発表によると、2026年発売のグロムは「第二種原動機付自転車(原付二種)」に区分されるスポーツモデルです(出典:Honda公式ニュース 2026年5月15日発表・6月19日発売の国内向けモデル、確認日:2026年10月5日)。
排気量と必要な免許
2026年型グロムの主要諸元は、総排気量123立方センチメートル、最高出力7.4kWとなっています。そのため、公道を運転するには「小型限定普通二輪免許」以上の二輪免許が必須です。原動機付自転車免許や普通自動車免許のみでは運転できません。カスタムを進めるうえでも、ベースとなる車両規格と免許条件の前提を正しく認識しておくことが大切です。
世代でベースが違う
グロムは登場から複数の型式が存在しており、年式によって仕様が異なります。Hondaの公式資料によると、2013年発売の初代(JC61型)は空冷4ストロークOHC・125cc(主要諸元上は124立方センチメートル)エンジンに4速マニュアルミッションを組み合わせていました。一方で、2021年発売のモデル(JC92型)では、新開発の空冷4ストロークOHC単気筒123ccエンジンが採用されています。
カスタムは自分の車両の世代から考える
世代によってエンジンなどの仕様が異なるため、旧型のパーツがそのまま新型に流用できるとは限りません。適合情報を調べずに社外品を購入すると、取り付けができなかったり思わぬ不具合につながったりします。情報を集める際は、ネット上の一般的な評価を見る前に、まず標識交付証明書などの車両書類や販売店でご自身の車両の型式と年式を特定することから始めてください。
カスタムの進め方を決める
最初に目的を一つに絞る
小型で取り回しの良いグロムはカスタムの選択肢が豊富だからこそ、最初にあれもこれもと手を出してしまうと方向性がブレてしまいます。まずは自分がバイクに何を求めているのか、主目的を一つに絞ることをおすすめします。見た目の雰囲気を変えたいのか、毎日の市街地走行での扱いやすさを重視するのか、あるいは荷物を積んでソロツーリングへ出かけたいのかによって、選ぶべきパーツの方向性が決まります。
戻せるものから小さく始める
大人の趣味としてカスタムを進める場合は、万が一の際に「純正状態へ戻せる範囲」から小さく手を付けるのが無難な手法です。ボルトオンで装着できるアクセサリー類や消耗品の交換から始めれば、車体への加工負担を抑えられます。一方で、フレームの切削や配線の加工、保安基準や公的届出に関わる部分は慎重な判断が求められます。元に戻せる領域とそうでない領域をあらかじめ切り分けておくと、失敗を減らせます。
改造前の確認3点
パーツを発注したり作業に取り掛かったりする前に、以下の3項目を必ず点検してください。
・車両情報:自分のグロムの正確な型式と年式にパーツが適合しているか
・法令基準:取り付ける部品が道路運送車両の保安基準や公的認証を満たしているか
・届出要件:変更内容が自治体や運輸支局への公的届出を要する改造に該当しないか
この3点を確認してから進めてください。
ショップへ相談するときに伝えること
取り付け作業やセッティングに不安があるときは、無理をせず信頼できるバイクショップへ相談するのが確実です。ショップを訪れる際は、正確な型式と年式、バイクの主な用途、どのような状態に仕上げたいかという目的をメモにして伝えると話がスムーズに進みます。予算の上限や純正戻しの希望がある場合も、最初の段階で共有しておくことで的確な助言を受けられます。
見た目・乗り味・積載で手を入れる領域
外装・ハンドル周り・シートなど見た目と姿勢の領域
車体の印象や乗車姿勢に直結する領域としては、外装カウル、ハンドルバー、レバー類、シートなどがあります。ハンドル位置やレバーの角度はライダーの体格に応じた操作性に影響し、シートの座り心地は長距離走行時の快適性に直結します。特定の銘柄に囚われるのではなく、自分の体格や乗車姿勢に合ったポジションを作ることを重視して選ぶと仕上がりの満足度が高まります。
積載とツーリング適性
グロムでソロツーリングを楽しみたい場合、荷物の積載方法を整える必要があります。リヤキャリアやサイドバッグサポートなどを導入する際は、取り付け部の耐荷重やバッグの固定方法、車体バランスへの影響を検討しなければなりません。積載スペースを確保するだけでなく、荷物が灯火類を遮らないか、走行中に脱落する危険がないかといった安全面を最優先に考えて設計してください。
灯火類やミラーに触れるときの注意
前照灯(ヘッドライト)、方向指示器(ウインカー)、尾灯(テールランプ)、制動灯(ブレーキランプ)、後写鏡(ミラー)などの保安部品を変更する際は細心の注意が必要です。道路運送車両の保安基準には一般原動機付自転車に関する規定が設けられており、これらは保安基準の対象になりうる部品です。社外品を導入する際は、保安基準に適合している旨の表示があるか、販売店やメーカーへ事前に確認してください。
注意
灯火類やミラーなどの保安部品は、デザイン性だけで選ぶと視認不良や基準不適合となる恐れがあります。購入前に適合表示の有無を確かめ、不明な点は専門ショップや販売店へご相談ください。
マフラー交換で確認すること
交換用マフラーの事前認証制度
排気系のカスタムを検討する際に最も重要なのが、騒音防止性能に関する法令の遵守です。国土交通省では、国土交通大臣が登録した登録性能等確認機関が騒音防止性能等を確認した交換用マフラーに対して、「性能等確認済表示」を表示する事前認証制度を創設しています(出典:国土交通省ウェブサイト、確認日:2026年10月5日)。
選ぶときの確認手順
交換用マフラーを選ぶ際は、以下の手順で合法性を確認してください。
・表示の確認:性能等確認済表示の有無を、製品説明や販売店で確かめる
・型式適合の確認:その認証が自分のグロムの型式(JC61、JC92など)に対応しているか調べる
・販売店への相談:年式ごとの適合や最新の認証状況をバイクショップへ問い合わせる
この順序を徹底することで、購入後の行き違いを減らせます。自分の車両への適用や基準の詳細は、販売店・メーカー・国土交通省の案内で確認してください。
見た目や音で選ばない
社外マフラーを選ぶ際、排気音の大きさや見た目の迫力だけで決めてしまうのは避けてください。騒音は法令で規制されているため、音の好みより先に表示と適合を確認してください。大人のライダーとして長く走り続けるためにも、表示と自分の車両への適合を確認できた製品から選んでください。
注意
適合が確認できない社外マフラーや認証表示のない製品は、道路運送車両の保安基準に適合しない可能性があります。購入や取り付けの前に、必ずメーカーや販売店へ確認してください。
排気量や構造を変える改造と届出
改造後に届出が必要になる場合
ボアアップキットの組み込みなどによってエンジンの排気量を変更した場合や、車体の基本構造を改変した場合は、届出が必要になる場合があります。例えば静岡県富士市の軽自動車税(種別割)に関する案内では、改造により原動機付自転車(ミニカーを含む)の構造・排気量等を変更した場合や、構造・排気量が製造時と異なる車両を新規取得する場合には届け出が必要と案内されています(出典:富士市公式ウェブサイト、更新日:2025年5月15日、確認日:2026年10月5日)。なお、自治体によって必要書類や手続きが異なる場合があります。
排気量が変わると区分が変わりうる
エンジンの総排気量が125ccを超えると、軽二輪(125cc超〜250cc以下)の扱いになりえます。東北運輸局の管内手続き例の案内によると、軽二輪車の新規届出を行う際は、自賠責保険証明書、自動車重量税納付書、軽自動車税申告書などの書類提出が必要とされています(出典:東北運輸局公式ウェブサイト、確認日:2026年10月5日)。
まず窓口と販売店に確認する
実際にパーツを購入したり車体を加工したりする前に、居住地の市区町村税務窓口や運輸支局、そしてカスタムを依頼する専門ショップへ手続きの流れを相談してください。事前に確認を取っておくことで、手続きの行き違いを減らせます。
必要な免許も区分で変わる
2026年型グロムの純正状態(123立方センチメートル)であれば小型限定普通二輪免許で運転できますが、区分が変わる改造では必要な免許も変わりうるため、実施前に所持免許の条件を確認してください。
カスタムしたグロムで走り出す
仕上がりを確かめる慣らしの走り方
パーツの取り付けが完了した後は、すぐに長距離ツーリングへ出発するのではなく、安全な場所で車両の状態を確かめる試走をおこなってください。ボルトの締め付けトルクに緩みがないか、操作系レバーの遊びは適切か、灯火類が正常に点灯するかを確認します。また、荷物を積載して走る場合は、低速走行時のふらつきや急制動時の挙動変化を落ち着いてチェックすることが重要です。
ソロでも仲間とも走れる
自分好みに仕上がった小型スポーツバイクでの移動は、日常の街乗りから休日のツーリングまで移動の質を一変させてくれます。一人で気ままにワインディングを流すソロツーリングはもちろんのこと、同じペースで走れる仲間を見つけて出かけるのもバイク趣味の醍醐味です。原付二種ならではの身軽さを活かして、ゆとりのある大人のバイクライフを楽しんでください。
仲間とツーリングできるアプリ・BunBun
よくある質問
グロムに乗るにはどの免許が必要ですか?
2026年型グロム(総排気量123立方センチメートル)は第二種原動機付自転車に区分されるため、運転には「小型限定普通二輪免許」以上の二輪免許が必要です。原動機付自転車免許や普通自動車免許のみでは公道を運転できません。
グロムのカスタムで最初に確認することは何ですか?
まずはご自身の車両の型式(初代JC61型、JC92型、2026年モデルなど)と年式を特定してください。そのうえで、取り付けたいパーツが保安基準に適合しているか、公的な届出が必要な改造に該当しないかを確かめることが重要です。
社外マフラーに交換してもよいですか?
交換用マフラーには、騒音防止性能等を確認した「性能等確認済表示」を表示する事前認証制度が設けられています。購入前にご自身の車両型式に適合した認証表示があるかを確認し、不明な点があれば専門ショップやメーカーへ相談してください。
排気量を変えるカスタムに届出は必要ですか?
自治体の案内では届出が必要とされています。125ccを超える場合は区分が変わりうるため、作業着手前にお住まいの自治体や管轄の運輸支局へ必要書類をご確認ください。
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まとめ|グロムのカスタムを安全に楽しむために
この記事のまとめ
・世代と区分の確認:車両書類で正確な型式・年式を把握し、適合する部品を選ぶ
・目的の整理と段階的な着手:主目的を絞り、まずは純正に戻せる範囲から手を付ける
・保安基準と公的届出の遵守:マフラー認証や灯火類の基準、排気量変更時の届出を怠らない
グロムはサイズ感や扱いやすさから、大人がじっくり手をかけて育てるベース車両として優れた魅力を持っています。法令や基準に関わる部分は、購入や作業の前に確認してから進めてください。不明な点や構造変更を伴う作業については、自己判断で進めずに正規販売店や行政窓口へ事前に相談することをおすすめします。
