しまなみ海道を走ろうと調べ始めると、「原付と一般道でどれくらい時間がかかるのか」「125cc以下は専用道路があると聞いたけど料金はいくら?」といった疑問にぶつかる方が多いはずです。本州〜四国を結ぶ3ルートの中でも、しまなみ海道はライダーにとって別格の魅力を持つルートですが、事前に距離・料金・所要時間を把握しておかないと、途中で日が暮れたり想定外の出費になることも。この記事ではBunBun編集部が2026年時点の情報をもとに、バイク・原付それぞれの通行料金・所要時間・各島の立ち寄りスポットを一本に整理しました。
しまなみ海道の基本情報|ルート・総距離・道路の種類
尾道〜今治の全長と経由する島
しまなみ海道(西瀬戸自動車道)は広島県尾道市から愛媛県今治市までを結ぶ全長約60kmの自動車専用道路です。その途中に向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島の6つの島を経由します。本土との接続を含めると橋は9本(向島〜因島間の因島大橋から今治側の来島海峡大橋まで)。
道路の種類は大きく2つに分かれます。
・自動車専用道路(高速道路区間):125cc超のバイクが走行できる有料区間
・原付・自転車道(サービス道路区間):125cc以下の原付・自転車専用の側道。各橋の下部または脇に設けられている
補足・参考
原付道(サービス道路)は126cc以上のバイクは走行不可です。125cc以下の原付一種・原付二種が利用できます。なお、自転車と同じ専用道を走るため、速度管理と追い越しには十分な注意が必要です。
一般道(島内国道・県道)の走行について
各島の内部は島内一般道(国道317号・県道など)を走ります。原付も125cc超のバイクも島内は同じ一般道を走ることになります。橋ごとに自動車専用道・原付道のどちらを使うかが変わるだけで、島に降りてしまえば全車種が同じ道を走るという点を覚えておくと混乱しません。
バイク(126cc以上)の料金と所要時間
各橋の通行料金一覧
126cc以上のバイクは自動車専用道を走行します。ETCは二輪ETCが使えますが、しまなみ海道の各橋は基本的に本線料金所ではなく島ごとの料金所(本線ブース)で精算する方式です。2025年時点の普通自動二輪・大型自動二輪の料金(現金・ETC同額)は以下の通りです。
| 区間(橋名) | 走行距離(目安) | 二輪料金 |
|---|---|---|
| 新尾道大橋(尾道〜向島) | 約0.5km | 50円 |
| 因島大橋(向島〜因島) | 約1.3km | 110円 |
| 生口橋(因島〜生口島) | 約0.9km | 110円 |
| 多々羅大橋(生口島〜大三島) | 約1.5km | 110円 |
| 大三島橋(大三島〜伯方島) | 約0.3km | 50円 |
| 伯方・大島大橋(伯方島〜大島) | 約0.7km | 110円 |
| 来島海峡大橋(大島〜今治) | 約4.1km | 200円 |
尾道〜今治を全通して走った場合の二輪合計通行料金は740円(現金)です。自動車(普通車:約3,070円)と比べると圧倒的に安く走れます。
注意
料金は改定される場合があります。出発前に西日本高速道路(NEXCO西日本)またはHondaロード公式サイトで最新情報を確認してください。特にETC割引の適用条件は変更頻度が高いです。
尾道〜今治の所要時間(126cc以上)
休憩なしで自動車専用道を一気に走ると、距離換算では約60km・表定速度80km/h区間がほとんどのため理論上は1時間を切りますが、島内一般道の信号・制限速度(40〜50km/h区間が多い)を加えると実質1時間30分〜2時間が標準です。観光・食事・給油を挟むと3〜4時間以上は見ておくのが現実的です。
・ノンストップ走行(移動のみ):約1時間30分〜2時間
・軽食1〜2回+展望スポット立ち寄り:約3〜4時間
・1泊2日で各島を丁寧に回る:6〜8時間走行+宿泊
原付(125cc以下)の料金と所要時間
各橋の原付通行料金一覧
125cc以下の原付は自動車専用道ではなく原付・自転車専用道(サービス道路)を通行します。料金は自動車専用道より安く、現金のみ(ETC・クレジット不可)です。
| 区間(橋名) | 原付料金 | 備考 |
|---|---|---|
| 新尾道大橋 | 非対応 | 原付道なし。尾道渡船を利用 |
| 因島大橋 | 50円 | 下段の自転車・原付道を利用 |
| 生口橋 | 50円 | |
| 多々羅大橋 | 50円 | |
| 大三島橋 | 50円 | |
| 伯方・大島大橋 | 50円 | |
| 来島海峡大橋 | 100円 |
尾道側のスタートは新尾道大橋に原付道がないため、尾道渡船(向島行き:100円前後)で向島へ渡るのが定番ルートです。渡船を含めた合計料金は450〜500円程度です。
原付の所要時間
原付道は最高速度30km/h制限が基本です。橋の長さと島内移動を合算すると、ノンストップでも尾道〜今治で3時間以上はかかります。休憩・食事を入れると4〜5時間が標準的なペースです。
ただし原付でのんびり走るルートはそれ自体がひとつの体験です。橋の上で一時停止して海を眺めたり、島の路地に入ったりする余裕が生まれます。日帰りで走り切るなら早朝(7時以前)にスタートするのが賢明です。
編集部の一言
原付二種(51〜125cc)はしまなみ海道では自動車道ではなく原付道扱いです。法定速度60km/hの原付二種でも橋上は30km/h制限区域のため、スピードより景色を楽しむ割り切りが必要です。
各島の距離と立ち寄りスポット
向島(むかいしま)|尾道から最初の島
尾道から渡船で5分ほどで上陸できる向島は、ツーリングの「助走区間」として機能します。島内一周は約15km。尾道水道を眺めながら走れる南側の海沿いルートが人気です。
・立ち寄りポイント:向島洋らんセンター、岩子島厳島神社(渡し舟で渡れる小島)
・給油:向島内にガソリンスタンドあり(先の島は少ないため早めの給油推奨)
因島(いんのしま)|村上水軍ゆかりの地
向島の次に渡る因島は、村上水軍の本拠地として知られる歴史ある島です。島内面積は今回のルート中で最大級。因島水軍城は山頂の展望城郭で瀬戸内の島々を一望できます。
・距離:島内縦断で約12〜15km
・グルメ:はっさく屋(はっさく大福が名物・早い時間に売り切れることも)
・給油:土生港周辺にガソリンスタンドあり
生口島(いくちじま)|瀬戸田レモンと平山郁夫美術館
生口島は瀬戸田レモンの産地として有名で、島内にはレモンを使った土産物・カフェが点在します。平山郁夫美術館は建物の設計も見応えがあり、ライダーの休憩地点として機能しています。耕三寺(白い大理石の伽藍)も徒歩圏内。
・距離:島内縦断で約10〜12km
・休憩:サンセットビーチ沿いの駐車場は海に向かってバイクを停めやすい
大三島(おおみしま)|大山祇神社と道の駅
大三島には全国の武将が奉納した鎧・刀剣を所蔵する大山祇神社があります。道の駅「多々羅しまなみ公園」は多々羅大橋のたもとに位置し、バイクの撮影スポットとしても定番です。レストランと産直売場も充実しています。
・距離:島内縦断で約15〜18km(最大の島)
・グルメ:みかん・タコ料理・瀬戸内の魚介
・給油:宗方港周辺にガソリンスタンドあり
伯方島(はかたじま)|伯方の塩で知られる小島
「伯方の塩」で全国的に名が知られる伯方島ですが、島自体はコンパクトで縦断距離は約7〜8kmほど。道の駅「伯方S・Cパーク」は伯方島ICのすぐ脇にあり、ソフトクリームや塩アイスが休憩に最適です。
大島(おおしま)|来島海峡大橋の絶景と亀老山
今治直前の大島は、亀老山展望公園(標高307m)からの来島海峡・橋の眺めが圧巻です。山頂までの道は急カーブが続くため、下りのペース管理に注意。大島から来島海峡大橋を渡れば今治市街に入ります。
・距離:島内縦断で約10〜12km
・注意:亀老山の山頂道路は大型車のすれ違いが難しい幅員区間あり
給油計画と燃料に関する注意点
島内のガソリンスタンドは減少傾向
しまなみ海道の各島は過疎化が進んでおり、ガソリンスタンドの数は2010年代から大幅に減少しています。特に伯方島・大島は数が少なく、営業時間も短い傾向があります。
注意
向島か因島の土生港周辺でフルタンクにしてから出発するのが基本です。大三島の宗方周辺にもスタンドがありますが、日曜・祝日は閉まっていることがあります。出発前にGooogleマップで現地の営業時間を確認することを強くおすすめします。
原付の航続距離と給油タイミング
原付一種(50cc)は燃料タンクが4〜5L程度の車種が多く、60〜80km程度で給油が必要になります。尾道〜今治の総距離は島内道路を含めると実走80km前後になる場合もあるため、因島か生口島での給油は必須と考えましょう。
季節・時間帯別の走行アドバイス
ベストシーズンと混雑回避
気候的なベストシーズンは4〜6月と9〜11月です。夏(7〜8月)はサイクリング観光客が急増し、原付道は自転車と混走になるため追い抜きに神経を使います。GWと紅葉シーズン(10月末〜11月初旬)は駐車場・道の駅が混雑します。
早朝スタートのすすめ
日帰りで走り切るなら尾道を7時前後にスタートすると、主要な観光地の開店前に到着できるためスムーズに進めます。来島海峡大橋は西向き(今治方面)に走ると午後に逆光になりやすいため、撮影重視なら午前中に橋を渡り切るよう時間を設計するとよいです。
編集部の一言
BunBun編集部が実走した際、平日の9〜10時台は原付道の自転車がほぼゼロで走りやすいと感じました。週末の昼間はサイクリングツアーの集団と重なることがあるため、橋の入口で先行グループをやり過ごしてから入るのが賢明です。
今治側のゴール後の行動プラン
今治市街の基本情報
今治市はタオルと今治城で知られる瀬戸内の中核都市です。ライダーにとって実用的なポイントは以下の通りです。
・ガソリン補給:今治市街に複数のスタンドあり。走り切った後の補充に最適
・食事:今治焼鳥(鉄板焼きスタイル)が名物。市街の焼鳥店は昼営業している店が多い
・宿泊:ビジネスホテルが充実しており、翌日に高知・松山方面へ続けて走る拠点になる
フェリーで帰る選択肢
バイクを積めるフェリーで今治〜広島(呉経由)に戻るルートもあります。今治港からの航路を利用すれば、来た道を折り返す必要がなくなるためワンウェイツーリングが成立します。便数が少ないため事前予約推奨です。
よくある質問
125ccのバイクはしまなみ海道の橋を自動車専用道で走れますか?
走れません。125cc以下の原付一種・原付二種は自動車専用道への進入が禁止されており、各橋に設けられた原付・自転車専用道(サービス道路)を利用します。料金は橋ごとに50〜100円(現金のみ)です。
ETCは使えますか?
126cc以上のバイクで自動車専用道を走る場合、二輪ETC(ETC2.0含む)が利用できます。ただし各橋の料金所の形状・対応状況はNEXCO西日本の公式情報で確認してください。原付道(サービス道路)はETC非対応で現金払いのみです。
日帰りで走り切れますか?
126cc以上のバイクなら観光を含めても日帰り往復は十分可能です。ただし原付は尾道〜今治の片道だけで4〜5時間かかるため、日帰り往復は体力的にきつい場合があります。原付での日帰りは片道走行+フェリー帰還か、宿泊を前提にしたプランが現実的です。
原付道は夜間走行できますか?
原付道(サービス道路)は橋によって通行時間に制限があります。一般的に早朝〜夜間の時間帯は通行できますが、深夜帯は閉鎖される橋もあります。本州四国連絡高速道路の公式サイトで各橋の通行可能時間を確認してから計画を立てることをおすすめします。
原付でしまなみ海道を走る際の服装・装備で気をつけることはありますか?
橋の上は常時海風が吹いており、特に来島海峡大橋(全長4km超)は強風時に車体が流されるほどの横風が吹くことがあります。ウインドブレーカーを必携とし、春・秋でも橋上は体感温度が下がることを想定した重ね着が有効です。ヘルメットのシールドも風で開かないようロックする習慣を。
まとめ|しまなみ海道の料金・所要時間を把握してから走ろう
この記事のまとめ
・126cc以上のバイクは自動車専用道を利用し、尾道〜今治の通行料金は合計約740円
・125cc以下の原付は原付・自転車専用道を利用し、合計450〜500円程度(渡船含む)
・所要時間の目安はバイク(126cc超)が2〜4時間、原付が4〜5時間以上(観光込み)
・島内のガソリンスタンドは少なく、向島か因島でフルタンクが基本
・橋上の横風・原付道の自転車混走に注意し、早朝スタートが最も快適
・今治側でのフェリー帰還でワンウェイツーリングも成立する
しまなみ海道は「橋を渡る」だけではなく、各島に降りて走ることで初めて完成するツーリングルートです。料金と時間の見積もりを事前に固めておけば、当日は景色と食に集中できます。BunBun編集部は、特に初めて走る方には1泊2日プランで大三島か伯方島に宿泊する日程をおすすめしています。時間に余裕がある分、ライダーとしての密度の高い旅になるはずです。
