バイクヘルメットの選び方|種類・規格・サイズで失敗しないコツ

バイクヘルメットの選び方|種類・規格・サイズで失敗しないコツ

ヘルメット選びで迷った経験は、ほぼすべてのライダーが持っているはずです。種類が多い、サイズ感がわからない、規格の違いもよく理解できない——そうした疑問を解消せずに購入して、後悔したケースは少なくありません。この記事では、バイクヘルメットの種類・安全規格・正確なサイズの測り方から、40代以降のライダーが特に気にすべき選び方のポイントまでを体系的に解説します。次の1個を失敗なく選ぶための実用情報として活用してください。

目次

バイクヘルメットの種類と特徴

フルフェイス:最も高い保護性能

顎から頭頂部まで全面を覆うフルフェイスは、衝突時に最も損傷が集中しやすい顎部を保護できる唯一のタイプです。ツーリング・高速道路・スポーツライディングとシーンを選ばず使えます。風切り音が抑えられるため長距離での疲労が少なく、40代以降のソロツーリング派に向いているカテゴリといえます。

デメリットは夏場の蒸れと、着脱に時間がかかる点です。近年はベンチレーション機構が充実してきており、昔ほど暑さは問題になりにくくなっています。

ジェット(オープンフェイス):快適性とのバランス

顎部が開放されているジェットヘルメットは、街乗りから中距離ツーリングまで幅広く使われています。視界が広く、着脱が容易で、カフェ・食事休憩でもヘルメットを外さず会話しやすいのが特徴です。

ただし顎への保護はゼロであることを認識した上で使う必要があります。シールドがないモデルは飛び石・虫・雨粒が顔面に直撃するため、ゴーグルやシールド付きモデルの選択が現実的です。

システム(モジュラー):利便性重視のハイブリッド

チンバーが可動式で、フルフェイスとジェットを切り替えられるシステムヘルメットです。信号待ちや休憩時に顔を開けられる利便性が高く、眼鏡をかけたまま着脱できるモデルも多いため、40代以降に人気が高いカテゴリです。

フルフェイスより重くなりやすく、チンバーの開閉機構がある分、同価格帯のフルフェイスと比べると剛性でわずかに劣るモデルもあります。購入時は閉状態でのロック機構の確認が必須です。

オフロード・アドベンチャー:ダート対応設計

バイザーとチンバーが前方に突き出た形状のオフロードヘルメットは、ゴーグルとの組み合わせを前提とした設計です。アドベンチャーバイク(テネレ・アフリカツイン・V-ストローム等)との組み合わせで選ばれることが増えています。

舗装路での高速走行時は風きり音が大きくなりやすいため、主に使うフィールドが舗装路か林道かで選択が変わります。オンロード主体ならアドベンチャースタイルのフルフェイスも視野に入れるとよいでしょう。

ハーフキャップ:法的要件と保護性能を理解した上で

後頭部と頭頂部のみをカバーするハーフキャップは、クルーザー・アメリカンスタイルで使われることがあります。保護範囲が非常に限られるため、高速道路・幹線道路での使用には適していません。国内販売品でもJIS/SG規格を取得していないものが流通しているケースがあり、購入前の規格確認が特に重要なカテゴリです。

注意

道路交通法では「乗車用ヘルメット」の着用が義務付けられていますが、規格については明確な指定がありません。ただし、PSCマーク(消費生活用製品安全法)のないヘルメットは国内で正規販売できないため、国内正規品購入時はPSCマークの有無を必ず確認してください。

安全規格の種類と読み方

PSCマーク:国内販売の最低基準

PSCマークは消費生活用製品安全法に基づく国内販売の最低条件です。これがないヘルメットは日本国内で正規販売できません。国内で購入する際の最低確認事項として覚えておいてください。

JIS規格(JIS T 8133):国内標準の安全基準

日本産業規格によるテスト基準で、衝撃吸収性・あごひも強度・視野角などを規定しています。PSCより要求水準が高く、国内ブランドの多くがJIS規格取得品を展開しています。ツーリング・街乗り問わず、JIS規格取得品を基準に選ぶのが国内では現実的な判断です。

SG規格:製造物責任補償付き

製品安全協会が認定するSG規格は、JISに加えて製造物責任補償制度が付帯します。万一製品起因の損害が生じた場合、最大1億円の補償を受けられる仕組みです。JISとSGの両規格を取得しているモデルが国内ではスタンダードといえます。

MFJ公認:国内モータースポーツでの基準

日本モーターサイクルスポーツ協会が定める基準で、サーキット走行会や競技に参加する場合に求められます。ストリート専用ライダーには直接必要ではありませんが、走行会デビューを検討している方は購入時点で確認しておくと後から買い替えずに済みます。

ECE 22.06:欧州基準・高い試験精度

欧州連合が定める安全基準で、2020年以降はECE22.05から22.06へ改訂され試験水準が大幅に引き上げられています。アライ・ショウエイをはじめ国内プレミアムブランドも取得しており、現在最も信頼性の高い規格のひとつとして業界内での評価が定着しています。

SNELL規格:民間機関による厳格認証

米国のSNELL記念財団が5年ごとに改訂する民間規格です。衝撃試験の繰り返し回数・試験速度などがECEより高水準とされており、スポーツ用途に強い評価を受けています。ただし試験方法の思想がECEと異なるため、「SNELL=絶対的な最高基準」と単純に比較するのは適切ではありません。

補足・参考

規格の優劣は用途と試験方法の思想によって異なります。ストリートツーリング用途であれば、JIS+SG取得品もしくはECE22.06取得品を選べば、安全性の面で大きな不安はありません。規格マニアになるよりも、正しいサイズでしっかり装着できることの方が実際の保護性能に直結します。

正確なサイズの測り方と選び方

頭囲の正しい測り方

ヘルメットのサイズは頭囲(cm)で決まります。測定方法は以下の通りです。

・メジャーを額の最も出ている部分(眉毛の約1〜2cm上)に当てる

・後頭部の最も出ている部分を通るように一周させる

・メジャーは水平を保ち、ゆるみを持たせずに計測する

・2〜3回測定し、最大値をサイズ選択の基準にする

ブランドごとにサイズ表記が異なるため、必ずそのブランドの公式サイズチャートで頭囲と照合してください。同じ「Lサイズ」でも、メーカーによって1〜2cm変わることは珍しくありません。

頭の形(頭型)とヘルメット内形の一致が重要

人の頭の形は大きく分けて、丸頭(円型)・中間型・長頭(楕円型)の3パターンに分類されます。ヘルメットの内部形状もメーカーごとに異なります。

・アライ:やや長頭型に近い内形設計が多い

・ショウエイ:中間型〜やや丸頭寄り

・OGK Kabuto:日本人の頭型に合わせた設計で幅広い頭型に対応

サイズが合っていても頭型が合っていないと圧迫感や左右のずれが出ます。可能であれば店頭で実際に被り、10〜15分装着して不快感がないか確認することを強くおすすめします。

フィット確認の3つのチェックポイント

頬パッドの密着: 両頬パッドが顔にしっかり当たり、ヘルメットを前後に揺すっても顔の皮膚と一緒に動く感覚があるか

首振り時のズレ: あごひもを締めた状態で左右・上下に首を振り、ヘルメットが追従してズレないか

頭頂部の接触: 頭頂部が内部ライナーに軽く接触しているか(隙間が大きすぎると衝撃吸収が十分に機能しない)

注意

「少しきつい気がするが慣れるはず」という判断でサイズを妥協するのは禁物です。パッドが馴染むことで多少のゆるみは生じますが、明確にきつい場合は頭痛・耳の圧迫感につながります。逆に緩すぎるヘルメットは走行中のズレや衝撃時の脱落リスクを高めます。

40代以降のライダーが重視すべき選び方のポイント

インナーバイザー付きモデルの利便性

内蔵された着色バイザーをスライド操作で降ろせるインナーバイザー機能は、サングラスを着脱する手間がなくなるため、長距離ツーリングでの快適性が大きく変わります。眼鏡・老眼鏡との干渉が生じやすい40代以降には特に有用な機能で、システムヘルメットとの組み合わせで採用しているモデルが増えています。

重量と首・肩への負担

同じ6時間のツーリングでも、1,400gのヘルメットと1,600gのヘルメットでは首・肩への疲労蓄積に差が出ます。スペック表の重量欄を必ず確認し、1,500g以下を目安にすると疲労対策になります。軽量モデルはカーボンシェルや薄型ライナーで実現していますが、価格帯は高めになります。

眼鏡・サングラスとの干渉

眼鏡の着脱を前提とした設計(テンプルガイドの溝・広めのシェル開口部)を持つモデルが増えています。購入前に自分の眼鏡フレームとの干渉をショップで確認してください。システムヘルメットはチンバーを開けた状態で眼鏡をかけられるため、眼鏡ライダーの支持が高い傾向があります。

ベンチレーションの有無と夏冬の使い分け

四季を通じてツーリングをする場合、ベンチレーションの開閉が操作できるモデルを選ぶと1年を通じて使いやすくなります。夏は全開、冬は全閉に切り替えることで内部温度をコントロールできます。開口部が多いほど冷却性は上がりますが、風切り音も大きくなるため、高速道路の多い使い方では開閉機能付きが現実的です。

シールドの可視光線透過率と法規

シールドには可視光線透過率の規定があります。

・昼間走行:透過率の規定なし(スモークシールドも可)

・夜間走行:可視光線透過率75%以上が必要

濃いスモークシールドは昼間専用です。夜間走行や夕暮れ時も含めてツーリングするなら、クリアシールドまたはライトスモークを基本として、インナーバイザーで日差しをコントロールする構成が現実的です。

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ヘルメットの価格帯と品質の目安

10,000円以下:エントリークラス

PSCマーク取得品でも10,000円以下のモデルは存在します。ただし、内装の質・ベンチレーション・シェルの仕上げに明確な差が出る価格帯です。近距離の街乗り・予備ヘルメットとして割り切るなら選択肢に入りますが、本格的なツーリング用としては推奨しにくい領域です。

15,000〜35,000円:ミドルクラス

OGK Kabuto・Wins・HJCなどが充実したラインナップを持つ価格帯です。JIS+SG規格取得・インナーバイザー・しっかりしたベンチレーションが揃い、ツーリング用として実用上の不満が出にくい水準です。コストパフォーマンスの面から、多くのライダーに適している価格帯といえます。

40,000〜80,000円:プレミアムクラス

アライ・ショウエイの主力モデルが集中する価格帯です。ECE22.06・SNELL規格を取得し、シェル成形・内装素材・塗装仕上げのすべてにおいて品質が高く、長期使用における満足度が高い傾向があります。ツーリング頻度が月1回以上・高速道路を使う方には、この価格帯を検討する価値があります

80,000円以上:カーボン・フラッグシップクラス

カーボンシェル採用による軽量化(1,200g前後)・最高グレードの内装・専用シールドコーティングなどを備えるフラッグシップモデルです。重量増による疲労が気になるベテランライダーや、デザインも含めてバイクとのコーディネートを楽しみたい方に支持されています。機能面での絶対的な優位性というよりは、総合的な仕上がりと軽さへの投資と考えると納得感があります。

編集部の一言

価格と安全性は比例するとよく言われますが、最も重要なのは正しいサイズで正しく装着できているかどうかです。10万円のヘルメットをゆるいまま使うより、3万円のヘルメットをぴったり装着する方が実際の保護性能は高くなります。価格は品質の目安にはなりますが、フィット確認が大前提です。

ヘルメットの寿命と交換タイミング

使用年数の目安:購入から3〜5年

一般的な目安として、ヘルメットの使用推奨期間は購入から3〜5年です。これはメーカーの多くが内装材・発泡ライナーの劣化サイクルを踏まえて設定している期間です。外観に問題がなくても、内部のEPSライナー(発泡スチロール素材)は経年で衝撃吸収性能が低下します。

転倒・衝撃後は即交換

転倒・落下・強い衝撃を受けたヘルメットは、外見上に問題がなくても内部ライナーが破壊されている可能性があります。一度衝撃を受けたEPSライナーは変形・圧縮されており、次の衝撃への対応能力が著しく低下しています。「見た目が大丈夫だからもう1回使える」という判断は危険です。

内装のへたりとにおいのケア

内装が取り外し・洗浄できるモデルは衛生面で有利です。月1〜2回の内装取り外し洗浄を習慣にすると、内装のへたりを遅らせるとともに着用時の不快感を軽減できます。洗浄不可モデルはブラシと中性洗剤での拭き取り清拭が基本です。購入時に内装の取り外し可否を確認しておくことをおすすめします。

補足・参考

多くのヘルメットメーカーはシェル外側に「製造年月日」を刻印または記載しています。中古・アウトレット品を購入する際は製造年月日を必ず確認し、製造から5年を超えているものは選ばない判断が安全側の選択です。

よくある質問(FAQ)

ヘルメットのサイズはどこで正確に測れますか?

自宅でメジャーを使って測定できます。額の出っ張り部分(眉毛の1〜2cm上)と後頭部の最も出ている部分を通る円周を水平に測ります。2〜3回測り最大値を採用してください。ただし頭型の確認はショップで実際に被ることでしかわからないため、可能であれば近くのバイク用品店での試着を強くおすすめします。

規格の中でどれを選べば間違いないですか?

ストリートツーリング用途であれば、JIS規格+SG規格の両方を取得しているモデル、またはECE22.06取得モデルを選べば安全性の面で大きな不安はありません。走行会やサーキット走行を予定しているならMFJ公認対応品を確認してください。SNELLやECEはどちらが絶対優位ということはなく、用途と予算に応じて選んで問題ありません。

システムヘルメットはフルフェイスと同じ安全性がありますか?

チンバーを閉じた状態であれば、フルフェイスに近い保護性能を持つシステムヘルメットが多くあります。ただし、開閉機構がある分だけ同価格帯のフルフェイスより剛性で若干劣るモデルもあります。重要なのは走行中は必ずチンバーを閉じてロックすることです。開状態で走行することは保護性能を大幅に低下させます。

ヘルメットは何年で買い替えるべきですか?

多くのメーカーが推奨する使用期間は購入後3〜5年です。外観に問題がなくても内部の衝撃吸収ライナーは経年劣化します。また転倒・落下などの衝撃を一度でも受けたヘルメットはその後の使用年数にかかわらず交換が必要です。製造年月日はシェル内側や外側に記載されていることが多いため、中古品は購入前に必ず確認してください。

眼鏡をかけたままヘルメットを被れますか?

多くのヘルメットは眼鏡の着用を想定した設計になっています。フルフェイスでは側面に「テンプルガイド」と呼ばれる溝があるモデルが眼鏡をかけやすい設計です。システムヘルメットはチンバーを開けた状態で眼鏡をかけた後にチンバーを閉じられるため、眼鏡ライダーに特に向いています。試着時に必ず自分の眼鏡フレームとの干渉を確認してください。

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まとめ|ヘルメット選びは種類・規格・サイズの3軸で整理する

この記事のまとめ

・ヘルメットの種類はフルフェイス・ジェット・システム・オフロード・ハーフの5タイプ。用途と走行スタイルで選ぶ

・国内ではJIS+SG規格取得品またはECE22.06取得品を選ぶのがストリートツーリングの基準

・サイズは頭囲をメジャーで正確に測り、ブランドごとのサイズチャートと照合する

・頭型との一致が重要で、可能であれば店頭で10〜15分の試着フィット確認を行う

・40代以降はインナーバイザー・軽量モデル・眼鏡対応設計を重視すると快適性が上がる

・使用推奨期間は3〜5年。転倒・衝撃後は外観にかかわらず即交換が原則

・価格よりも「正しいサイズで正しく装着できること」が実際の保護性能の最重要条件

ヘルメットは消耗品です。しかし同時に、ライダーの頭部を守る最重要装備でもあります。種類・規格・サイズの3軸を整理した上で選ぶと、後悔しない1個に出会いやすくなります。次のツーリングシーズンに向けて、ぜひこの記事を選定の参考にしてください。

―BunBun編集部

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この記事を書いた人

40代からのツーリング仲間探しサービス「BunBun(ブンブン)」の編集部です。ソロツーリングの楽しみ方からマスツーリングのマナーまで、大人のライダーに役立つ情報をお届けします。

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