「ツーリングに行きたいけど、どこに行って何をすればいいかわからない」。バイクに乗り始めた方やリターンライダーの方なら、誰でも一度はそう感じるものです。目的地はどうやって決めるのか、何キロくらい走れるのか、どのくらいの時間を見積もればいいのか。わからないことだらけで、結局行かずじまい――そんな経験はないでしょうか。
でも、ツーリング計画は難しくありません。実はたった3つのステップを順番にこなすだけで、初めてでも安心して走れるプランが完成します。無理のない距離設定と余裕のあるスケジュールさえ押さえれば、ツーリングは何倍にも楽しくなります。
この記事では、初めてのツーリング計画で押さえるべきポイントを、目的地選び・ルート組み・スケジュール作成の3ステップに分けてわかりやすく解説します。距離と時間の目安テーブルや、計画に役立つアプリ情報もまとめました。
この記事でわかること
・ツーリング計画を3ステップで組み立てる方法
・初心者が無理なく走れる距離と時間の目安
・ルート作りに役立つツール・アプリの紹介
・よくある失敗パターンとその対策
ツーリング計画が重要な理由
「バイクは自由な乗り物だから、気の向くままに走ればいい」。それも一つの楽しみ方ですが、計画なしのツーリングにはリスクが伴います。
たとえば、目的地に着いたら日が暮れていた、ガソリンスタンドが見つからず焦った、休憩ポイントがなくて疲れ果てた――こうしたトラブルは、事前に少し計画するだけで防げるものばかりです。特にバイクは体力を使う乗り物ですから、無理な行程は事故のリスクにもつながります。
計画を立てるといっても、旅行代理店に相談するような大げさなものではありません。ツーリング計画の本質は「楽しさと安全を両立させること」です。目的地・ルート・時間配分の3つを決めるだけで、心に余裕を持ったツーリングが実現します。計画があるからこそ寄り道を楽しむ余裕も生まれるのです。
3ステップで完成するツーリング計画
ツーリング計画は、以下の3ステップで組み立てていきます。順番に進めるだけで、初めてでも無理のないプランが完成します。
STEP 1:目的地を決める
STEP 1:まず「何をしたいか」から目的地を絞る
ツーリングの目的地選びで最も大切なのは、「何がしたいか」を明確にすることです。景色を楽しみたいのか、美味しいものを食べたいのか、温泉に浸かりたいのか。目的がはっきりすると、行き先は自然と絞り込まれます。
目的地選びのポイントは次の3つです。
まず、自宅からの距離で候補を絞り込みます。初めてなら片道50〜100kmが目安です。高速道路メインなら100km、下道メインなら50kmを上限にすると無理がありません。日帰りの場合、片道2時間以内で到着できる場所が理想的です。
次に、「テーマ」を一つ決めます。景色、グルメ、温泉、歴史スポットなど、テーマを一つに絞ることで計画がシンプルになります。あれもこれもと欲張ると、移動だけで疲れ果ててしまいます。特に初めてのツーリングでは「目的地を一つだけ決める」のが成功の秘訣です。
最後に、バイクを停められるかを確認します。観光地によっては二輪駐車場がない場合もあります。事前にGoogleマップのストリートビューで駐車場の有無を確認しておくと安心です。道の駅やSA・PAはバイク駐輪スペースが確保されていることがほとんどなので、初心者には特におすすめの目的地です。
STEP 2:ルートを組む
STEP 2:往路と復路を変えてルートに変化をつける
目的地が決まったら、次はルート選びです。ポイントは「行きと帰りで別の道を走る」こと。同じ道の往復は単調になりやすく、帰りの疲労感が増します。行きは高速道路でサクッと目的地へ、帰りは下道で景色を楽しみながら――このパターンが王道です。
ルート組みの実践テクニックをいくつか紹介します。
幹線道路と絶景ルートを組み合わせるのが基本です。全行程を裏道や山道にすると時間が読めなくなります。幹線道路で目的地の近くまで移動し、ラスト30分を景色の良いワインディングロードにするなど、メリハリのあるルート設計が満足度を高めます。
給油ポイントを必ずチェックしておきましょう。山間部や海沿いの道ではガソリンスタンドの間隔が50km以上開くこともあります。タンク容量と燃費から航続距離を把握しておくのは基本中の基本です。不安なら、残量が半分になった時点で給油する習慣をつけると安心です。
また、天候悪化時の代替ルートも頭に入れておきましょう。山間部は天候が変わりやすいため、峠越えのルートを計画する場合は「雨なら高速で迂回する」といったプランBがあると心強いです。無理に走るより安全を優先する判断力がバイカーには求められます。
STEP 3:スケジュールを立てる
STEP 3:「余裕2割増し」でスケジュールを組む
ルートが決まったら、最後にスケジュールです。ここでの鉄則は「ナビの予測時間×1.2倍」で計算すること。バイクは四輪車よりも休憩が必要ですし、写真撮影や寄り道の時間も加味する必要があります。余裕のないスケジュールは焦りを生み、事故のリスクを高めます。
スケジュール作りの具体的な手順は以下の通りです。
まず、出発時間と帰宅時間を先に決めます。「朝8時出発・17時帰宅」のように枠を決めてから中身を組むと、無理のない計画になります。初めてのツーリングなら日没の1時間前には帰宅できるスケジュールが理想です。暗い道は視認性が下がり、疲労も蓄積しているため危険度が増します。
次に、休憩ポイントを先にルート上にマーキングします。1時間に1回(60〜80km走行ごと)の休憩が目安です。コンビニ、道の駅、SA・PAなどを休憩候補としてリストアップし、ルート上に均等に配置されているか確認しましょう。
最後に、昼食の時間と場所を確定させます。ツーリングの楽しみの大きな部分を占めるのが食事です。人気店は混雑するため、ピーク時間をずらす(11時台 or 13時台)のがスマートです。予約できる店なら事前に電話しておくとさらに安心です。
距離と時間の目安
「初めてだと何キロくらい走れるの?」という疑問は、多くのバイカーが持つものです。以下のテーブルを目安として参考にしてください。
| レベル | 1日の走行距離 | 走行時間(休憩込み) | おすすめルート例 |
|---|---|---|---|
| 初心者(初めて〜数回) | 100〜150km | 4〜6時間 | 近場の道の駅巡り |
| 初中級(10回程度) | 150〜250km | 6〜8時間 | 隣県の観光スポット |
| 中級(定期的に走る) | 250〜350km | 8〜10時間 | 高速利用の遠出 |
| 上級(ロングツーリング慣れ) | 350〜500km | 10〜12時間 | 1日で複数県を縦断 |
注意ポイント
・上記はあくまで目安です。体力・天候・道路状況によって大きく変わります
・初めてのうちは控えめな距離設定で「もう少し走れたな」くらいが正解です
・高速道路と下道では平均速度が2倍近く違うため、ルート構成で走行時間は大きく変動します
平均速度の目安も覚えておくと便利です。高速道路は時速80km、一般道は時速30〜40km(信号・渋滞含む)で計算すると、実際の所要時間に近い数字が出ます。山道やワインディングロードはさらに遅くなるため、時速20〜30kmで見積もるのが現実的です。
計画に役立つツール・アプリ
ツーリング計画を効率よく立てるためのおすすめツールを紹介します。
Googleマップ
無料で使える最強の計画ツールです。出発地と目的地を入力するだけで複数のルート候補が表示されます。「経由地の追加」機能で休憩ポイントや立ち寄りスポットを組み込めば、そのまま当日のナビとしても使えます。ストリートビューで事前に道の様子を確認できるのも大きなメリットです。
ツーリングサポーター(NAVITIME)
バイク専用のナビアプリです。二輪通行禁止道路を自動で回避してくれるのが最大の特長。景色優先・時間優先などのルート設定が可能で、給油タイミングのアラート機能もあります。有料(月額400円)ですが、ツーリング頻度が高いバイカーには十分元が取れるアプリです。
モトクル
バイク専用のSNSアプリですが、他のバイカーのツーリングルートを参考にできるのが計画段階で非常に役立ちます。写真付きのスポット情報が豊富で、実際に走った人のレビューが確認できるため、ガイドブックには載っていない穴場スポットが見つかることもあります。無料で利用可能です。
天気予報アプリ(tenki.jp / Windy)
ツーリング計画で天候チェックは欠かせません。tenki.jpは1時間ごとの降水確率が確認でき、Windyは風速や雲の動きを視覚的に把握できます。特に山間部を走る場合は標高別の天候情報が役立ちます。出発前日と当日朝の2回チェックする習慣をつけましょう。
よくある失敗と対策
初めてのツーリング計画でありがちな失敗パターンと、その対策をまとめました。
失敗1:欲張りすぎて時間が足りない
「せっかく行くなら」とスポットを詰め込みすぎるのが一番多い失敗です。目的地は1〜2箇所に絞り、移動時間に余裕を持たせましょう。立ち寄りスポットは「時間があれば寄る」程度のオプション扱いにするのがコツです。
失敗2:給油タイミングを逃す
地方の山間部では日曜定休のガソリンスタンドも珍しくありません。事前にルート上のスタンドを確認し、営業時間もチェックしておきましょう。「残り半分で給油」を習慣にすれば、ガス欠の不安から解放されます。
失敗3:帰りの体力を考えていない
行きはテンションが上がっているので長距離でも平気ですが、帰りは疲労が蓄積しています。復路は行きよりも短い距離・簡単なルートにするか、高速道路を使って時間短縮するのが賢い計画です。「体力は行き6割・帰り4割で配分する」と覚えておきましょう。
こうした失敗を避けるには、経験者と一緒に走るのが一番の近道です。仲間がいれば、ルート選びや休憩タイミングのアドバイスがもらえますし、万が一のトラブル時にも心強い存在になります。
よくある質問
Q. 初めてのツーリングは何キロくらいがちょうどいいですか?
片道50〜80km、往復で100〜150km程度がおすすめです。走行時間は4〜6時間を目安に、昼食と2〜3回の休憩を含めて計画しましょう。「もう少し走れたな」と思えるくらいがベストです。
Q. ツーリングの出発時間は何時がベスト?
朝7〜8時の出発がおすすめです。午前中は交通量が比較的少なく、日帰りでも現地で十分な時間を確保できます。夏場は早朝(6時台)に出発すると、涼しい時間帯に距離を稼げます。
Q. ルートを決めるとき、高速と下道どちらがいいですか?
目的によります。時間を節約して目的地を楽しみたいなら高速道路、道中の景色やワインディングを楽しみたいなら下道がおすすめです。行きは高速・帰りは下道(またはその逆)の組み合わせが、効率と楽しさのバランスが取れた王道パターンです。
Q. 雨の日のツーリングはキャンセルすべき?
初心者の方は無理せずキャンセルをおすすめします。雨天走行は視界が悪く、路面も滑りやすいため、経験が必要です。前日の時点で降水確率が60%以上なら延期を検討しましょう。計画を柔軟に変更できるのも、事前に計画を立てるメリットの一つです。
まとめ
この記事のポイント
・ツーリング計画は「目的地→ルート→スケジュール」の3ステップで組み立てる
・初めてなら片道50〜80km・往復100〜150kmが目安
・ナビの予測時間に1.2倍の余裕を持たせるのが鉄則
・行きと帰りで別の道を走ると満足度が上がる
・経験者やツーリング仲間と走れば、計画の不安は大幅に軽減される
ツーリング計画は、一度コツをつかめば10〜15分で組めるようになります。最初は近場の日帰りから始めて、慣れてきたら徐々に距離を伸ばしていきましょう。計画を立てること自体がツーリングの楽しみの一部です。地図を眺めながら「次はどこに行こうか」と考える時間も、バイカーにとっては至福のひとときではないでしょうか。
そして、同じ方面に行きたい仲間がいれば、計画はもっと楽しくなります。自分では思いつかなかったルートや立ち寄りスポットの提案がもらえることも。ツーリング計画の次のステップとして、仲間探しも視野に入れてみてはいかがでしょうか。
